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デザフェス報告。
2010-05-20 Thu 20:21
 
ナガレ01 全景2日目 ナガレ02

Design Festa Vol.31 C-0953 『天鍵地錠』、無事に会期を終えました。
応援・ご協力いただいた皆様、ありがとうございましたー。

今回の展示はかなりの強行軍になりました。
まぁ毎度のようにも思いますが。
テーマを練り込んで研ぎ込んだおかげで、強く印象に残る展示が構成できたと自負しております。
mixiのフォトアルバムにて当日の写真をご覧いただけます。


ついでにmixiコミュも貼っときます。
[mixi] ○● 人形師 “美少女” ●○


一つ前の日記より、今回の展示『天鍵地錠』のコンセプトストーリィ。

天地は陽と陰。
鍵は陽の象徴、錠は陰の象徴。
古来風水では天は円にして地は方なりという『天円地方』の考え方があった。
鍵穴は前方後円、天地の両性を備え万物に通じる。
少女の右手に癒合した鍵はアンドロギュヌス複合であり、天地の印に封じられた秘法を開示するための起動装置である。
彼女は今この空間から抜け出そうと精一杯その身を伸ばすが、鍵に合う錠が何処にあるのか、それには気付けずにいる。
背後から見守る玉座の主は、彼女にその所在を教えることは出来ない。
ただじっと、見守っている。
見守っている。


1日目はテキストによる補足なしで望んだのですが、人形の設置位置が高すぎて、人形そのものに気付かないお客さんもちらほら以上に見受けられました。
ぼくが奥に座ってると尚の事「ぁ、こう云う展示なのね」的なオーラを言外に漂わせながら去って行かれるわけで。
切ないわー。

と云うわけで2日目は包帯と引き裂いたガーゼにコンセプトストーリィを一筆啓上仕り、視線誘導も兼ねて展示に加えてみました。
甲斐あってか初日よりはお客さんの視線が上に向かいやすくなったように思いました。
テクスト01 テクスト02

新作人形『天鍵』は本来は正尺130cm程度なのですが、右肢・左腕が極端に長いというとんちき設計の故に、全高2m50を超える大きな人形になりました。
1日目の朝6時まで制作してたので結局会場に持ち込むまで一度も全身組むことなく、全パーツを段ボール箱と毛布にくるんで持ち込みました。
組み上げるのに1時間、レンタルのアルミフレーム上部に据え付けるのに2時間半以上。
手伝ってくれた山崎さんのアイデアでぶっといアルミ針金(自遊自在)をフレームに渡して、そこを支えにして何とか据え付けに成功しました。
ほんと一時はどうなることかと。
天鍵01 天鍵02
天鍵03


天鍵の右手は透き通り始めており、古錆びた大きな鍵が癒合している。
ここだけ樹脂粘土を使っています。
もっと透明にしたかったんですが、この鈍い透け具合もそれはそれで。
鍵

ブース奥、ぼくが座っていた『玉座』。
玉座は天円の真ん中に据えられており、玉座の足元の延長上に地方が象られる。
その背後はデザインフェスタ内の他のブースが軒を連ねており、見立てによっては龍の背とも見える。
龍脈を辿って場内を駆け巡った気は、玉座後縁の黒布「玄武」で一度深く沈み込み、天円地方の鍵穴から表出し、上方に据えられた人形へと向かう。
フレームは「砂」、天鍵が見つめる先の、人通りの絶えない通路は「朱雀」の見立て。
今回はぼくなりの風水観をこっそりそしてごっそりと盛り込んでおりました。
玉座

TASKEさんが初日に天鍵の右手を見て、「彼女自身の中の空間から、彼女はこの鍵で抜け出そうとしているように見えた」と云ってくれた。
射貫かれた気がしました。
球体関節人形の胎内は空洞、伽藍堂。
ぼくはそこに強く惹かれます。


今回は張子技法やら膝の二重関節やらそもそも無茶なサイズやら初めての眼球表現やらで、新しい試みまみれでした。
おかげでスケジューリングは超タイト。
よくもまぁ間に合ったものだと自分で云ってちゃ世話ないですが、ほんと今回こそは間に合わないと何度も思いました。
天鍵は少し補修と改善を行って、7月の横浜ヴァージョンフェスタで展示予定です。
そちらではまた違った形での展示になりますので、お楽しみに。
告知日記はこちらです。

また近くなったら告知致します。
その前に6/20のトレジャーフェスタ秋葉原もあるので、ちょっと休んだらそちらに向けて人形制作再開です。


応援くださった皆様、手伝ってくれた方がた、そしてご来場いただいた多くの方に、今一度の御礼を申し上げて、今宵は筆を措きとうございます。
ありがとうございました、ほんとにほんとに。



この下の写真3枚は、マイミクのナガレさん撮影によるもの。
他の方に撮ってもらうことで、人形が作品としてぼくの手を離れる。
それはとてもどきどきぞくぞくする、贅沢な体験です。
ナガレ02 ナガレ03 ナガレ01
 
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