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SHIBU Culture、開催中です。
2011-01-28 Fri 15:56
 

イベント詳細はこちらを。
2/6(日)まで開催です。


 SHIBU Culture参加の経緯と、今回の人形、「亡器」について少し。
 x2_45333ca.jpg


 発端は昨年末。企画展の出展作家に欠員が出て、追加で参加できる造形作家を募っている旨のTweetを、岡山の知人が知らせてくれたのだ。Twitter万歳。
 訊けば西武渋谷店と云う立派な舞台、しかも催事場などではなく「美術画廊」で行われる企画展とのこと。矢盾止まらず詳細を伺うべくメールし、参加の可否はさておき人形の構想を固め始めた。
 人形の構想はいつも複数練って抱えているが、形になるものはごく一部だ。今回のものは今まで形として整えることをしてこなかった、球体関節人形の形態素、を抽出したもの。
 少し性急に抽出してしまったので荒さは否めないが、石塑と云う制作法はどこで人前に出すかを自分でコントロールできる、否、自分でコントロールしないといけない代物だ。今回この時点で人前に出したと云う事実が、即ち今のぼくの実力と云うことだ。釈明はしない。
 構造、造形に関して。今回は過去に取った手法を再調整して盛り込んだ。胴体、上半身と下半身の間の管。アルミパイプ。中にゴム紐を通して、脚部と頭部のパーツを繋いでいる。
 上半身と下半身の間の、球形の空洞。裏返された腹部の球体、開示された腹腔。なにものも産まれ得ない子宮。分断された上下の半身は、辛うじて異素材で繋がる。
 間には、何もない。
 「何もない」を留め、流すための空間。
 上半身は玄武、下半身は朱雀。青龍白虎が仮想の球形を囲む。龍穴は虚空に浮かぶ。風水と象徴論と量子論を、内骨格を模倣した外骨格に幾何学と共に封じ込める。石塑と暗喩のアマルガム。

 分離された手首。どこへでも行ける。だがどこにも行けない。完全な自由とはそのようなものだ。

 作品タイトルの「亡器」。
 この人形は欠損を抱えている。
 「足りない」を持っている。
 色即是空、空即是色。
 さっき風水と云った口で、今度は般若心経。つまりその辺りは実のところ何であってもよいということで。おそらく同じものに光を当ててできたそれぞれの影なのだと思う。

 ぼくは、人形を器として作りたい。空のものにしたい。人形の体内の空間には、なるべくぼくが籠らないように。

 存外長くなってしまった。この辺りで。
 
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