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ミサイルと仮想敵。
2008-10-21 Tue 11:17
 
わたしの近くに、吉田ミサイルと云う一つの苛烈な運命がある。
彼はもしくは彼女は、兎に角もう自分を底まで追い込む外に道がない処に入り込んでいる。
入り込む、潜り込む、隘路の先の細く研がれた穿刺から滴り落ちる鮮血、赤、経血、緋の襦袢。
吉田ミサイルを覆う全ての柔肌は今剥ぎ取られ、その存在はある一人を除いた衆目全てを敵と看做し、牙を剥く。
剥く。
無垢。
真っ白と真っ赤の混線、混信、混濁、濁濁、濁、抱く。
迸るのは吉田ミサイルと云う存在のエキスだ。
衆目全てを愛してしまいそうになるが故に全てに対し敵愾心を燃やす。
吉田ミサイルは闘っている。
吉田ミサイルは戦っている。
吉田ミサイルは、たた、たたた、たたたたたたた。
走り続けるメロス。
無敵のメロス。
アキレス腱にはお気をつけて、そこは絆創膏に覆われ不死身の血を浴びていない。
走り行く先がコキュウトスを突き抜けた底の静謐な世界であるならばわたしの目には好ましい。
往け、疾く往けこの世の果てまで。
再び相見える日を願いながらも畏れながらもやはり願っている。
恐らくはお互いに。

仲良くなるのは簡単だ。
敢えて敵と捉え鍔競り合うのは、その末にある光を見んが為だ。
ひょっとするとそれは闇かもしれないのだが。
闇の中では白と黒の意味が同じになる。
白と赤も同様だろう。
混濁、濁濁、濁、抱く。
互いの白刃朱に染めて、刹那の閃光を求め転げ廻る。

不器用なミサイルがミサイルなりに導いた道ならば。
よござんしょう、受けやしょう。
道は霜月有明にあり。
堂堂巡る同道の輩、喰らうような心持で抱きに行こう。
混濁、濁濁、濁、抱く。




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