デザインフェスタ、無事に終了致しました。
詳細なレポートは後ほど。
今回の人形のコンセプトなどを先んじて記しておきます。
今回の新作人形はおよそ120cm。
このサイズは、今回盛り込みたかったギミックの要求しようから弾き出されたものです。
サイズありきで作ったわけではないのです。

今回の人形には通常の『眼球』がありません。
虚ろな眼窩から後方に伸びているのは、アクリルの円柱。
導視管、と名づけました。
後方というのがどこまでかというと、後頭部を突き抜けて頭の後ろ15cmまでです。
人形の後ろに回りこんで、そこから眺めることが出来ます。
とても狭く、自分ではほとんど動かせない、『人形の視線』を。
と同時に、『人形として人から見られる』という体験もすることが出来ます。
つまりそれは、わたしが今まで『人形化』のパフォーマンスで体験したものです。
人形化することによって、わたしは様ざまの刺激を入力され、処理の段階で更に様ざまな思考や想念を生み出しました。
それを、他の人にも味わって欲しい。
体験を、共有化するためのツールを作りたい。
それが今回の人形の制作動機です。
彼女の眼球は、彼女を突き抜けて後方まで伸びている。
誰かが覗く時は、その人か彼女の眼球になる。
誰も覗かないときは、彼女の後方に見える世界全てが、彼女の眼球に、なる。
人形の視点を体験する。
そんな不思議な体験を、お届けできたかと思います。