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デザインフェスタ、Vol.28。
2008-11-11 Tue 02:46
 
デザインフェスタVol.28、会期終了致しました。
ご来場くださった方がた、並びに応援くださった方がた、ありがとうございました。
写真撮影のみならず様様な準備や当日のブース運営まで手伝ってくれた妹にも、この場を借りて最大限の感謝を。
ありがとう。

DF28_02


先の日記にも書きましたが、今回は故あって人形は120cmの新作人形のみの展示でした。
過去の人形達は胡子さん撮影の写真にて共存させました。

自己評価では最終的な展示の出来は70点。
反省点を列挙。
しようかと思ったけど自分の胸の内に留めて非公開日記として別記します。
修正は作品の中に。



ブースにレンタルのアルミフレームを使ったのですが、これは正解でした。
写真展示と人形展示を両立させつつ両者の導線がぶつからないように出来たかと思います。
ただ、必然的に一箇所大きな段差が出来てしまうのを失念していて、初日最初の方は足元に躓かれる方が多かったのが何分にも申し訳なく。
設計図は立体透視図・三面図ともにしっかり描く必要ありです。

そのフレーム+竹を使った補助フレームに更にロープを張ってフレームの一部とし、そこに暗幕やポリエステル幕を配してブースの基礎としました。
人形の台座としては当初トランクの上にパイプ椅子を乗せて用に充てようとしていたのですが、低すぎたので妹の助言によりアルバム用に持ってきていた組み立て式の台を流用。
いい高さになりました。
実はこの台、初代どてっぱら風穴子を初お披露目したときに使ったものだったりします。
普段は上池亭のキッチンで鍋置き台として活用してます。


人形の固定は、テグスによる補助フレームへの肩の固定のみ。
そして後頭部からは導視管が伸び、補助フレームの間を抜けてブース後方の写真展示スペースへ。


ブースの構造は、1800*1800の角地ブースの通りに面した区画を700*700の小区画とし布で遮断。
1100幅のL字型の通路となった、残りの区画の壁を写真展示に使いました。
額装で10点を展示。
L字の肘部分に椅子を置き、そこに別の20点をアルバムで展示していました。


ブース内の案内はワイヤで固定する荷付けタグを活用。
これ大量に使った展示もしてみたいなぁ。

人形の細部ですが、今回は初めて髪に毛を使いました。
今まではサイズ感を損なわないように鳥の羽を使っていたのですが、ほぼ人間サイズとなった今回は毛でも十分に表現可能だという判断でこのようになりました。
初めての素材で扱いに難儀しました。
蓑編み覚えよう。

眼球は前述の通り導視管に取って代わられており、ガラスやアクリルの球体は嵌っておりません。

足の側面や足の裏に穴が開いているのに気付いた方もおられたかと思います。
制作の過程でたまたま開いた穴を見て衝撃を受け、これはよいと思いそのまま穴の開いた足を作品に取り込みました。
今回の人形は大きさと云い造形と云い今までに比べ人間に近過ぎたので、違和感を感じていました。
人形と人間の境目をぼやかしたいのです。
近づけることだけを目的に作っては、わたしの表現ではなくなるのです。


と、同時に今回は初めて全関節の球体をパーツから独立させることに成功しました。

日本語は、単語と助詞が独立しています。
で、あるならば、人形と云う文章の中の助詞である球体は、単語としての各パーツからは独立していて然るべき。
日本人である自分が作る以上、球体を独立させると云うのがわたしのデザイニングです。


衣装は高円寺で調達した古着のガーゼワンピース。
を、部分的に燃やして加工しました。
焦げ痕の残る穴の開いた裾は、足の穴とイメージを合わせています。

人形展示区画の両裾に垂らされた包帯は、ブースの雰囲気創出とともに、見る人を人形の正面に回らせるようにと設計しました。
そうすることで導視管を覗いている人との視線の交錯が生まれやすくなる。
正面からは見えませんが、人形の正面にあるブースフレームの柱には、包帯を引き連れたタグを貼り付けていました。

「Can you see it?」

人形の横に回ると写真展示区画の通り抜けが。
入って写真が展示されている反対側には、竹の補助フレームに挟まれた導視管が黒い幕から突き出ている。
覗くと何やらアーモンド形の狭い視界が見える。
それこそが、人形の視点です。


ボード等を通路の人形側に吊るしてそのようなテキストを書いておくべきだったな、と思いました。
未だに文章で補完することには葛藤があります。
しかしデザインフェスタは短時間で分かってもらうことにも価値のある場です。
その辺りは展示の減点対象。


わたしの体験していた、『人形になり、人形として見、また見られる』と云う体験を、幾許かの方にはサービスできたかと思います。

人形との対話は、個人的な体験です。
しかし、今回の展示では、個人-人形-個人と云う新たな対話を提案しました。

人形はもっと広がれる。
視点も、境界も、もっとあやふやなものだ。
 
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